経年変化と経年劣化

昔、ここにも書き込んだ気もしますが、最近このトピックについて良く意見を聞かれるので、また書いてみようと思います

経年変化と経年劣化 似て非なる言葉ですが、どうも同位にとらえられている方がいると思います

革に限らず、たとえばバイクや車、自転車でも、何もしないで錆や汚れで朽ちている様をいい意味の言葉で「いいヤレ感だね」という方もいますが、それは経年劣化です ただ朽ちていく経過を見てるだけです

手を入れて、油を刺してそれでも使い込んで時が経ったものに、本当の良い感じのヤレみたいな雰囲気が宿っていくものだと思っています

自分が小さいころ、家には明治生まれの祖父の自転車がありました ペコペコと油を刺して、いつも雑巾で拭きあげられたその自転車は、大変古い物でしたが独特のオーラと美しさがあって幼い自分でもそれが大事にされているものなのだと分かりました

話を革に戻しても同じこと

経年変化とは手を入れて育ったものの言葉です 手を入れて大事にしてこそのアジであり、使い込んだいいヤレ感なんだと思っています

ノーメンテでたどり着けることなのではないのだと考えます

はげた塗装の上から黒い塗料で補修して、少しオイルを含んだ雑巾で拭きあげられた黒光りした祖父の自転車 気持ち悪い言い回しかもしれませんが、愛情を注がれたあの自転車のように愛してもらえる物つくりを務めていきたいものです