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加減

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作るとき、腰に巻きついた時に最大限パフォーマンスが発揮されることを重視しています
腰の曲線に巻きついた時に裏面(床面)が縮小し、表面(吟面)が拡張した際に革がバランスよく湾曲するように調整します

コバ剤(革の毛羽立ちを抑える薬剤)を厚塗りすれば見た目こそ綺麗にはなりますが、塗り固めては本来の革の伸縮を邪魔します
身につけた時の曲線を保つ以上には施さないことも重要です

使い込めば後に毛羽立つこともありますが、その際にメンテナンスすれば元のパフォーマンスが発揮できるような処理を心がけています

ブーツでいえば使い込んだソールを交換できるように最初から設計しているということと同じです
減りにくいソールを付けるのではなく、減っても交換して永く愛用する
そういうものを目指しています

GERUGAの黒

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GERUGAの黒は矛盾とも思えるところからその矛と盾を分解する作業から始まりました

染料で顔料染めのように表面だけに色味を乗せてほしい そしてコバが綺麗なコントラストになるようにしてほしい
言葉にすれば単純ですがこれを紐解くのに多くの時間を費やしました

一般的に「丘染め」と言われるエアブラシで吹き付けて表面だけを染める手法がありますが、うちの革の特性上、染料を吸い込みすぎる部分と吸わない部分の差が大きく断面(コバ)が綺麗に見えません
そして丘染めには経年経過とともに退色が早いというデメリットもあります

これらすべての課題をクリアして思うとおりに染め上げるのはそもそも染色としての知識と経験を身につける必要がありました
何度かのアップデートを繰り返し現在やっと思うようなブラックを経年経過にも強い方法で染め付けれるようになりました

細かな事を抜きに単純にどうしたかと言えば、染料を染めの具合を見ながら10回以上に分けてスポンジに染み込ませて塗っています
染料が染み込みすぎないようにある技術とタイミングがあるのですが、これを見出すのに難航しました
それでもいつかは退色するかもしれませんが、ブラックの下にブラウンのベースを作りました 俗にいう茶芯のように鈍く茶味があがってくる仕様にしました

染料であるため顔料のように表面に割れは起こりません
丘染めのようにすぐに退色することもないです
コバも綺麗なコントラストが出ています

とりあえず個人的にはこれはクリアできたかな と

しかしまだまだ高みがありそうです

エッジをそぐ

裁断した後、革の断面のエッジ(へり)を落とす作業に入ります
ベルトの表情にもかかわってくる大事な作業です
表面は角をほんの少し落とすだけ 裏は大きくそぎ落とします

ベルトではあまり見ませんが、「片減らし」と言って紳士用のベルトに用いられていた手法です
鋲を打つ際、表を大きくそぎ落とすと革と鋲の表情がケンカするのでこうしています

しかし1つだけだとすぐに終わる作業も量産の場合はそれなりに時間がかかります
疲れるはずもないと思っていた作業で手が痛くなることもしばしば

それでもこう仕上がっていく様子を見ているのはすきですね

革を漉く

ベルトのバックルを取り付ける部分の革を薄くするため、「漉き(すき)」という工程を施します
革の柔らかさに個体差があるため時間はかかりますが、その都度見ながらできる手動の漉き機を使用しています

漉きこそがレザークラフトにおいて最重要という方がいるほど、地味ですが大事な作業です

それと桜の時期でした
桜は花にもちろんのごとく目がいきますが、この木の黒さが桜を引き立てているんだと個人的には思っています
もうそろそろバイクも気持ち良い時期が来そうです

意味のある「ヌキ」

裏面(床面)の処理についてですが、時々鏡面のように裏も磨きに磨くことが至高のような考えを聞くことがあります
持論ですが、裏を鏡面仕上げのように磨き上げることは反対です
それが折り曲げたり、湾曲しないものだとすればそれも一つの正解でしょう

紙を曲げるならば良いですが、段ボールを曲げようとすると内側に「シワ」が入ります
要するに、この「シワ」を出さないために過度に裏面を固く磨かないでふっくらさせておく必要なあるのです

ベルトもリストバンドも曲げて使うもの 内側の力を逃がすためあえてヌクのです

PUNX DIY ≒

革を染める「染革-せんかく-」という職業があります
これもまた一生の仕事として大変奥が深く、日々の技と知識の積み上げがあり生涯修行となりうる素晴らしい職です

生き物である革は同じレシピで同じものは出来ません
だからこそ職人は「いい塩梅」を探るのです
そのさじ加減の難しさを感じる一方でその魅力にもおおいに気づき、出来うることならば自分でも染付けをしてみたいと思いました
最初に言ったように、その仕事は付け焼刃で極められるような簡単な仕事ではありませんが・・・・と堅苦しく前おいて言い分けるのもなんなんで、まあ、単純に「自分でもやってみよう」と強く思ったということです

見るも聞くのもやはり「やる」は大きく違い、ジタバタと時間が過ぎていきましたがようやく思う色が出せたような気がします
出したかったのはその先があるもう何段階か育つ前の色
ここから日に浴びても、オイルを入れても、使いようでも、その人なりの色に少しずつ変化するそんな色に仕上げてみました
写真でどこまで伝わるかは未知数ですが、言いようのない青です

堅苦しく頑固な職人気質みたいな文面でしたが
ようはPUNXのDIYがずっとやっていたらのなれの果てみたいなことだと自分では思っています

もちろんの個性

革に最初のオイルを入れる際
同じ革
同じオイル
同じ量
同じやり方
それでもこれだけ濃淡やオイルの吸い方に差が生まれます

こればかりはオイルを入れなければ完全に把握することは難しく、1回目のオイル入れの後にどう平均的に均すかを考えます

単純に「個性」と割り切れば良い場合もありますが、同じ表情に近づけていくのもまた技だと思います

面白さととるか
難しさととるか

OIL CORT

一塗り目はレザーがどのくらいオイルを吸うかを見極めるために薄く塗ります
その際、革の文様が浮かび上がるのですが、それが妙にきれいだなと。。

荒らすか慣らすか

ヤスリがけは非常に重要な作業の一つです
ただヤスリをかけることで表面の繊維の結合はボロボロと壊れていきます
ヤスリがけをしないという考えも間違いではありません

ただ別の目線でとらえれば、繊維の結合を荒らしたところに根元から次の工程であるコバ剤(断面を仕上げるときに使う調合した薬剤)を染み込ませて根元から綺麗に撫で付けれるという利点も存在すると思っています

整髪料を表面だけにつけるよりも根元からつけたほうが撫で付けるのには好都合だということと同意です

他にも様々な理屈はありますが、何事も加減が大切です
かけすぎない良い塩梅を見極められるかが次の工程の良し悪しを決めます

オイル入れ

レザーに加油する場合、通常は表面からオイルを入れますが、裏面から入れます
表面ギリギリまでロウが入り込んでいるために奥まで浸透していきません
温めたオイルとロウを混合したものをスポンジブラシで数回に分けて塗っていきます
ひろげたティッシュの端に水滴を落とすと自然と濡れた部分が広がっていくように、オイルもレザーの中で油分量の足らないところに移動していきます
入れる量もオイルの暑さもレザーによっても見極めながら適量を考えることが大切です

すべては鞭のようにしなるベルトにするため
大切な作業の一つです