ゴールドとシルバーが
大きいスタッズと小さいスタッズが
背の高いもの低いものが
多種多様な角度からの輝きをひろうデザイン
説明をするならばそうですが・・
一言でいえば 「ハードコア」
「鋲ベルト」のもつ佇まいです
世界第2位の高峰でエベレストより危険な山
世界一登ることが難しい山
冬季における登頂は未だ達成されていない非情の山
しかし知名度はいまいちです なんせ2位ですから
そんな山を意識して最初から作ったわけではありません
GAVIALよりこれを作るちょっと前に「mountain」というモデルをリリースさせてただいて
それは綺麗な配列で上品に仕上がったのですが、そこにもっと不規則性を持たせてみたくなりまして
どうせなら「不規則」と「規則」の間をとったようなデザインに仕上げたいと挑戦したモデルです
「不規則」と「規則」の間 は遠くから見ると一定の規則性があることに気づきますが、近くで見ると不規則なだけに見える効果があるようです
今回はすごくニュアンスなお話で抽象的ですが・・・・・・
昨今 「売れるもの」が主流となってきています
では皆「売れるもの」を意識して作らなければなりません
残念ながら売れなければ飯は食えず、仕事というところまで昇華できないでしょう ごく当たり前な事と思えます
しかし売れることに焦点が集まりすぎて、それこそが終着点になっているようにも思えます
みな売れるものを求め、売れるものを作ります
この輪廻はもう何周もまわり続け、大量に宣伝され、大量に誕生し、大量に破棄されていきます
自分はずっと 1対1 の商売をさせていただいてきました
そこで強く思うのは「買いたいもの」を作り続けたいという思いです
見て、触って、巻いて、話して 買いたいと言ってれる
巻いてて、よかったから また見て 話して また買いたいと言ってくれる
すべてはエンドユーザーが良いねと思えるものを提供できるかどうかだと考えています
そのためのクオリティを上げる努力
そのためのメンテナンスです
製図上は紙なので想像しにくいのが「ゴールド」と「シルバー」の配分です
きっと答えはありません 正直直感で並べていきます
自身古着のネルシャツが好きなのですがチェック柄を選ぶのに「何でこれが良いのだろう」と考えないのと似ています
気に入る柄は直感でしかなく言葉で説明することは野暮なことに思えます
レザーが黒の時とナチュラルの時、また茶色の時などその時々で自分の正解も違うものです
その何通りもある組み合わせの中で、お客様と相談しながらすり合わせていく作業は実は苦ではなくむしろ楽しい工程です
EDGEはゴールドとシルバーがより際立つよう設計しています
また経年経過後、くすんだ真鍮の色もまた好きな色です
スタッズを通すには事前に「穴をあける作業」があります
スタッズを打つ機械があれば 穴開けからセットして爪を曲げて打ち込むまでワンアクションで出来ますが、うちは手作業です
穴の入り口と出口が同じになるように垂直に打ち込むのですが、革が厚い分容易ではありません
何度も何度も失敗し、計算外の歪みに悩まされた過去があります
スタッズの爪の幅によって打ち具もカスタムし、刺さりと抜けが良いようにグラインダーで削り 方眼紙をまとめた束に何度もまっすぐ打てるように練習しました
正直80点アベレージは出せますが、常に100点とはまだまだいきません
穴をあける
寸分たがわずそれをすることは長い長い道なのだと思います