GERUGAの黒は矛盾とも思えるところからその矛と盾を分解する作業から始まりました
染料で顔料染めのように表面だけに色味を乗せてほしい そしてコバが綺麗なコントラストになるようにしてほしい
言葉にすれば単純ですがこれを紐解くのに多くの時間を費やしました
一般的に「丘染め」と言われるエアブラシで吹き付けて表面だけを染める手法がありますが、うちの革の特性上、染料を吸い込みすぎる部分と吸わない部分の差が大きく断面(コバ)が綺麗に見えません
そして丘染めには経年経過とともに退色が早いというデメリットもあります
これらすべての課題をクリアして思うとおりに染め上げるのはそもそも染色としての知識と経験を身につける必要がありました
何度かのアップデートを繰り返し現在やっと思うようなブラックを経年経過にも強い方法で染め付けれるようになりました
細かな事を抜きに単純にどうしたかと言えば、染料を染めの具合を見ながら10回以上に分けてスポンジに染み込ませて塗っています
染料が染み込みすぎないようにある技術とタイミングがあるのですが、これを見出すのに難航しました
それでもいつかは退色するかもしれませんが、ブラックの下にブラウンのベースを作りました 俗にいう茶芯のように鈍く茶味があがってくる仕様にしました
染料であるため顔料のように表面に割れは起こりません
丘染めのようにすぐに退色することもないです
コバも綺麗なコントラストが出ています
とりあえず個人的にはこれはクリアできたかな と
しかしまだまだ高みがありそうです