ベルトループには決まった型がありません
さらに言えば自分の気まぐれでデザインがその都度変化します
注文の際、特別な指示がない場合、そのベルトに合うようなデザインをその場で描きます
顔が見える方の場合は、その人をイメージしながら制作し、型がない部位でしか出来ないファジーさを楽しんで作業しています
この「遊び」の部分が、よりオーダーメイドをよりイメージに沿わせる事に一役かっていると考えています
少し重い話になるかもしれません―――――――
写真は依然訪れた姫路のタンナーさんで撮らせてもらった、塩漬けで保存してあるまだ血肉や毛がついた牛の皮の写真です
何枚も何枚も重ねおいてあるそれは、相応の死臭を放ち、いくつもの死体が積み上げられていて異様な光景でした
正直、人は誰もがこういう場面を避けたいものです
自身もそれにならい本心は気分の良いものではありませんでした
ただそれでこその旅でした
気分が悪くなるほども胸苦しさを感じに行こうと思っていました
その上に、というかこの過程の上にに成り立つ仕事をしているので知らなくてはいけない事だと
世の中に無駄に使っていいものなどありはしませんが、革が生き物から頂いている「命」なんだと頭でではなく心から理解するには本当に勉強させていただいた経験の一つです
頂いた命に恥ず事の無いよう、今出せる精一杯の技術と気持ちで永く使っていただける物を作っていきたいと思います
「チェイン」
つなげるという意味で使っています
90度でも45度でもない角度で進行する新しい試みのモデルです
人の目は曖昧な角度のものを不快に感じることが多いものです
しかし、限られたベルト幅でのキャンバスに施すスタッズワークに、この曖昧な角度が可能性の突破口の一つだと昔から思っていました
ただその不快さを払拭するのは困難で、まだまだ腕が未熟だと思い知らされるばかりで―――――――
ここにきてようやく納得できるものが仕上がりました
星座のような、スターダストのようなイメージですが、知識や経験、時間も全てつなげてできた事に敬意をもって「CHAIN」
写真ではどうも伝わりにくいのですが、このベルトは人に巻かれて立体で見て初めて意とした見栄えになるようです