新しいものを生み出す際に
新しければ良いというわけではない事を念頭に置きます
今日していたことは
今一度過去のデザインをじっと見つめて書き換えて新しいのもが出来ないかと―――――――――
自由であれと想う発想力が、蓄積した概念が、定理が
何が悪いというのではなく巧く理想に近づけるよう願うばかりです
ファッションというのは時代の流れを切り取り、今のフィルターを通して昇華させたものです
いくつもの流行の上に積み上げアップデートを繰り返す中での「今」を着る事だと思います
またその逆にいつの時代も変わらない恰好をしている人たちもいます
そこには理屈がありこだわった選択肢を取る人たちです
自分は後者の人間です
好きな事や好きなものが何年経とうと変わることはありませんでした
若かりし頃、前者の代名詞「おしゃれ」のような事に憧れを抱くことはありましたが、結局染みついたスタンスは変わりませんでした
たとえばスキンズがパンクが流行っているからと言ってパンクスにはなりません
思想や姿勢から表に出るものとしてスキンズの恰好がある以上、そう易々とは曲がらないものだと思うのです
そういう「姿勢」の根底から湧き出たものとして、今の自分にレザーワークがあります
変わらぬことを美徳とするつもりもありませんが、それでしか出せないアジがあるとも信じています
パンクスでもスキンズでもないですが、自分が見続けた定点をもっと形にしていきたいですね
少し重い話になるかもしれません―――――――
写真は依然訪れた姫路のタンナーさんで撮らせてもらった、塩漬けで保存してあるまだ血肉や毛がついた牛の皮の写真です
何枚も何枚も重ねおいてあるそれは、相応の死臭を放ち、いくつもの死体が積み上げられていて異様な光景でした
正直、人は誰もがこういう場面を避けたいものです
自身もそれにならい本心は気分の良いものではありませんでした
ただそれでこその旅でした
気分が悪くなるほども胸苦しさを感じに行こうと思っていました
その上に、というかこの過程の上にに成り立つ仕事をしているので知らなくてはいけない事だと
世の中に無駄に使っていいものなどありはしませんが、革が生き物から頂いている「命」なんだと頭でではなく心から理解するには本当に勉強させていただいた経験の一つです
頂いた命に恥ず事の無いよう、今出せる精一杯の技術と気持ちで永く使っていただける物を作っていきたいと思います