
まだまだまだやりたいことがある
という幸せ

まだまだまだやりたいことがある
という幸せ

白い紙に色を出すのではなく、薄茶色の革に色を出すのは思い通りにいかないことがよくあります
さらに革は染料を吸うのでトーンの調整は難解です
染料をよく吸う部分もあれば、吸わない部分もあるわけで何度も色を見ながら乾燥させて調整します
革の個体差
繊維の眼の細かさの違い
染料別の浸透度の違い
さらには湿度など・・
本当に「染革」とはこれだけで一生勉強できる仕事のジャンルだと思います
悪魔的難解さゆえ
思い通りに行った時はそれは嬉しいものです



仕事の合間を見て、目黒の自然教育園へ
都会の中に手つかずの自然があるのだなと思いました
首都高の出口で帰り際気になっていた場所でした
根っからの都会人ではないので、こういう場所はリラックスできます

研ぎ澄まして刺そうとしているのであって、広くすくおうとしているわけではないんだと

インテリアショップや古物屋に足を運ぶと時に何に使うわけでもないものを不意に買うことがあります
といっても安価なもので、選ぶ基準もありません
単にアンテナに引っかかっただけのもの
直感で良いなと思っただけのものです
服も物も何もすべて口では説明のつかない頭のアンテナに引っかかったものを集めているだけです
脈略のない収集癖は単純に楽しいですね
自分の中での好きとは何か?
深く考えずこれからもいくのだと思います

思い描く完成図にたどり着くのはいつの世もトライアンドエラーの繰り返しです
失敗の中から次のヒントと発想を拾います
現時点での完成とか成功にたどり着いても必ずその先があります
1.2.3.4という段取りが1.2.4.3と変えるだけで大きく変化するときもあれば、これではダメだったという結論を導き出せた失敗を拾うこともまた多くあります
4が5.6を生み、また組み替えたり、時に新しい1を模索します
先人の方々から技法の助言をもらえるのは試行錯誤を繰り返し続けた先に無ければきちんと自分の技術として身には付かないものです
昔気質の職人さんの「見て盗め」は深く理解し自分の物にするには実は最短ルートなんだと今は素直に思えます
偉そうにこれを書いている自分の足元には今日も染めを失敗した残骸が・・
その上に「成功」と旗が立てばいいのですが・・

鋲ベルトらしいSHINEと
GERUGAらしいカラーリング
黒や茶も良いけれど
「色」をまとう とは楽しいものだと再認識できる
良いベルトだと思います

大震災以降、身近にも生活を変化させざるを得ない状況に直面することが多々ある
そのたびに反応せずにゆらりと身を任せて
状況に飲み込まれる度に自身の怠慢と危機感の無さに横っ面をはたかれる気持ちに陥る
コロナもそうだ
経験したことはないけど、終戦にあらかじめ期限がない「戦争」と同じだ
期限の決まったことじゃなく打ち勝つまで続く静かな戦いの中に今あるんだと思う
そして同じくいつも思う事がある
自分には作る事しか出来ない事を
それ以上に人よりうまくやれることがない
一見無意味かもしれないけれど、より良い物が作れる様今一度精進してみようと思う
皆のテンションが上がるようなものを作り出してやろうと思う





実にマニアックな話でも少し
ベルトの図案を制作する際、模様を意識して作るのでデザインは均等な等分で割り振られます
要は定規で引いた線上にデザインを配置して幾何学のような文様を意識することが多いです
人の目は規則的に並んだ配列に美しさを感じます
ただ時にデザインを起こしている時、意図的にそれを若干崩して配列を考えるときがあります
それが目にノイズのように違和感を感じるか、それともデザインにある種の「アジ」を持たせるかはさじ加減一つです
製図の段階ではまだ正解は出せませんが、これを実際サンプルを作る過程で微調整して理想の形に仕上げていきます
受け取り方は様々ですから、自身のバランスが正解かは一概には言えませんが、この「アジ」が後をひく美味さになるようになればようなと思っています