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HEX

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hexagon(六角形)から 「HEX」と名付けました
一番細い2.5mm幅ですが、金と銀がセットになっている模様は主張が強くアクが強いです

数多くベルトを作る中で、自身の表現したいデザインには気分や流行りみたいなものがあります
繊細なスタッズの配列で緻密なデザインを起こしたい時期や
無骨な大きなスタッズで鋲ベルトとしてのそれに重点を置いたりですとか

よく「原点回帰」という言葉を最近耳にしますが、自分は回帰する事も回想する気もあまり興味はありません
ただ「初期衝動」を今の技術でまた表現できたらな・・とは考えます

初期衝動を心に持ち、今の腕で表現することが自分流の原点回帰だと思います
少し偉そうにも聞こえますが、強い個性やスタイルでねじ伏せないとベルトが勝ってしまうくらいの強いベルトを作るんだと思い,
やり始めた事が今の仕事です
その意図にぴったりの「HEX」です

不規則進行

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見栄えの悪い不規則な穴開けですが、それでも目に心地よく見える進行でなければなりません

手に取った時よりも
平たく置いてみた時よりも
巻いたときに人に綺麗に見られる配列が重要だと考えます

服からのぞいたベルトの一瞬が人を引き付けるデザインでありますようこれからも研究です

adjust 2

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何日かに分けて、オイルを入れていきました
写真で分かるように、最初の無垢の状態からかなり色が濃くなったと思います

全て一定量オイルを浸透させればよいのではなく、部位やコンディションによって見極めていくことが肝心です
また昨日今日など湿度が高い日はレザーは湿気を吸ってオイルの食いが悪くなります(食いが悪いとオイルが動かず色が濃くなるのが早いです)

うまくいくかはすべて加減次第
定量も適量もそれに答えもありません

自分が良いと思うところでとめること

そこが格別に難しく、奥深いところです

adjust

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裁断したレザーに特殊なインクジェットでストライプを施します (写真の状態がそれです)

ここから独自の調合のオイルを入れ込んで、タイガー特有の濃淡のある茶色にしていきます
わざとムラが出るように筆で最後にオイルと足して陰影を作ります
もともとが白ヌメと呼ばれるタンニンなめしの革の色そのままなので、オイルの食いは非常にいいです

色がプリントされている部分は黒の部分だけであとはオイル仕上げなので、レザー特有のアメ色に焼けていく経過を楽しめます

しかし夏はどうしても気温でオイルがゆるく、サラサラしているので入りすぎないように加減が必要です

この「加減」というものが、楽しさでもあり、難しさでもあります
感覚でマニュアルなし 生かすも殺すも自分次第

革の世界の奥深さを感じます

ネルシャツ

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ネルシャツは夏以外年中着ています
いえ バイクに乗るときに羽織っているので一年中です

チェックというのは思えば非常に興味深く、好きなチェックをどう好きなのかを言葉で説明することが出来ません
好きな色が入っていればいいわけでもなく、チェックのパターンで判別もできません

それなのに好みのチェックにはほぼ一瞬で目にとまります
古着屋などで膨大な数のネルシャツがあっても選定には時間がかかりません

感覚だけで理屈なし
今だ増え続けるネルシャツを見て、いつかこの答えが出ればいいなぁと ふと思います

一点

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ラフの絵から型紙を作り、レザーに配置してみてから納得できずまたラフ画から
スタッズの配色に納得できずバラバラと全部外す
レザーの仕上がりに納得がいかず、ヤスリをかけ続ける
9割方終わったときに気を抜いて失敗し、1からやり直す
3日かけて作っても、納得いかず5日かけて作り直す

時々思います
なにやってるんだろうと

それと同じく時々思います
これでないと「本当」じゃないんだとも

いいものが作りたいです その一点です
本当にいいものがつくりたいです
まだまだです
まだまだまだまだです

flower

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3.5mm幅の「shine」の上位モデルとなります
こちらのモデルは4.5mm幅です

力強く咲く花のようでありますよう

絶滅危惧種

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「良い革とはなんですか?」とよく聞かれます
作るものや、加工の仕方により答えは様々ですが、thugliminalは「しなる革」と答えます

ピットなめし・繊維の断裂の少なさ・化学薬品に頼らない「磨く仕立て」・目に沿った裁断
どれも専門用語の羅列で説明することになってしまうのでここでは説明しきれませんが全ては「しなる革」のためです

写真に載せたレザーは仕立て前ですが厚みが7mmほどあります
このまま使えるのですが、スタッズの爪の長さが足りないので4.3mmくらいまで薄くして使用しています

ピットなめしの極厚の皮革がどんどん世の中から消えている昨今、業界の方にはよく「絶滅危惧種」だと言われます
単純に作るのに時間がかかり、デリケートで非効率なこの革は商業的視点からは問題だらけです

流通量が少なく、確保することもこんな小さな会社では容易ではなくなってきました
それでも どうしてもこの革でなければならない理由が山ほどあります

もしご希望があれば通常は作りませんがこの厚みでベルトを作ります(スタッズワークは出来ません。プレーンベルトのナチュラルのみになります)
極厚でもきちんと「しなる革」の条件に沿っています