黒と茶色はよくオーダーが入る定番のカラーですが個人的には最近茶色の使用率が高いです
デニムやスエードのエンジニア ウールネルシャツなど秋によく用いるアイテムにすんなりと馴染むからです
茶色はナチュラル同様タンニンなめしの堅牢なレザーを使用していますので、あめ色に変化していく経過も黒よりも楽しめるのも特徴です
真鍮のゴールドとも相性が良く、金色特有の誇張さがマイルドになり育て甲斐がありますね
風の温度はバイクに乗ればもうサーマルとネルシャツでは少し寒いくらいですね
仕事は日々のオーダーを淡々とこなしながらもコツコツ作業しています
これから来るであろう量産の下こしらえを整えつつ、気持ちのギアをゆっくり上げていこうとしています
これから作るものが10個だろうと100個だろうと、人に渡ればそれは「1」
「唯一」です ぬかりがあってはいけないものです
正直に書きますが、その「1」に今の100%を注ぎ続けるのは口で言うほど簡単な事ではありません
今まで何度となく挫かれ、反省し改めてもまた同じ穴にはまりそうになったりと・・
単調の反復には心の弱さや悪い慣れなど本当に見たくないほど真正面に弱い自分と対峙します
今回の相手も強敵です
経験と月日を重ね自信をつけて強敵も倒せると思いきや、不思議と自分も強くなれば相手もまた強力になるものなんです
どれだけのもんなのか真っ向勝負です
ハンドメイドは凄くも偉くもありません
一人でコツコツやっていることは評価に値しません
北欧の革しか使わないとこだわるつもりはありません
よくこのことで評価していただけるのは素直にありがたいと思うのですが、物作りでこだわって良い所は単純に「商品の質」なのだと思います
機械のほうが綺麗に上がるなら迷わず機械を使います
技術が敵わないと思えば、頭を下げて聞きますし、仕事をお願いします
どこの国の革だろうと今以上に品質があがるならば変更します
人に渡りそこでの満足や納得こそが唯一こだわっている場所です
プライドは過程には無く、結果にこそあるはずです
一つのベルトを作るとします
セミオーダーが可能なので好みによってカスタムが出来ます
やりたい表現のあれこれを注ぎ込んでくれるのは十分理解するところではありますが、あれもこれもと1本のベルトに詰め込み過ぎるのはあまり良いことではありません
そぎ落としたデザインですので、味付けすぎると良さが失われてしまうように思います
出来れば別のベルトでまた新しい味付けをしていただけると幸いです
基本を良く見ていただき、カスタムするならば、そこにひと味加えていただく
その良い加減を見つけていただけると嬉しいです
物作りには答えがありません
作成順序から素材の選定、仕立ての方法ですら本当の正解はありません
ましてや正しいと思うことですら万人に対し正解だという事もありません
それは、もしかすれば一生答えのない問いかけなのかもしれませんが、自分は時に深く考えます
時に立ち止り、頭を抱えることになろうとも考え無しよりは良いことなのだと思っています
頭で思考しきれぬ時は紙に書き、書き留めることすらままならない時には基本に立ち返り一から見直します
考える上での大前提は「より良くなるために考えている」ということを忘れぬことです
深く思考すればするほどにネガティヴな負の方向に持っていかれがちですが、この大前提のもと未熟でも一度その時の「答え」を見出します
その答えがたとえ間違っていようとも、また新たに考えればいいことですし、少しは前に進んだところで新たに問題と対峙できます
新しい試みや新たな動きが多い最近は考えなければいけないことだらけですが、その悩みの種が多ければ多いほどに、その種から多くのことが生まれてくれることを信じています
全てはより良い物作りのために
今あるデザインもこう形を変えるとまた別物です
前にも書いたと思いますが、THUGLIMINALは持ち込みのデザインを制作することはしておりません
デザインも含めて気に入って買っていただきたいと思っています
ただやみくもに断るのではなく、型紙をおこし、納得すれば制作します
年に何個も新しいデザインは出来ませんが、スタッズの隙間や革が綺麗にしなるよう力の分散も計算して作っています
もはや我が儘にも聞こえるでしょうが、気に入ったデザインを楽しく製作できるかも自分にとっては大切な事です
Exif_JPEG_PICTURE
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EDGEのブラック仕様です
全体的にマットな風合いで落ち着いていますが、使い込むほどにレザーは光沢を増し、逆にスタッズは地金が見えて粗い表情を出していきます
言葉で書いても説明するのは困難ですが、黒で統一されたベルトのエイジングは秀逸です
スタッズの削れ方はバイクのマフラーなどに施す耐熱黒の塗装に近く「メッキがはがれる」といったような経年経過はたどりません
薄く地金がだんだんと見える感じです
使い込んだシワ
程よく沈むスタッズ
薄く見える地金の色
フルブラックにしかない楽しみ方かもしれません
人の目線で撮った写真は新鮮です
この構図の発想はなかったです
Dudeさんありがとうございます
また写真を綺麗に撮ることも重要ですが、ライヴを切り取ったような、生きた写真というのも温度がそのまま伝わってくれそうで好きです
ホームページの写真も新しい型も増えたことですし、差し替えるの良いかもしれません