作成者別アーカイブ: thugliminal

CHAIN

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「チェイン」

つなげるという意味で使っています
90度でも45度でもない角度で進行する新しい試みのモデルです
人の目は曖昧な角度のものを不快に感じることが多いものです
しかし、限られたベルト幅でのキャンバスに施すスタッズワークに、この曖昧な角度が可能性の突破口の一つだと昔から思っていました
ただその不快さを払拭するのは困難で、まだまだ腕が未熟だと思い知らされるばかりで―――――――

ここにきてようやく納得できるものが仕上がりました
星座のような、スターダストのようなイメージですが、知識や経験、時間も全てつなげてできた事に敬意をもって「CHAIN」

写真ではどうも伝わりにくいのですが、このベルトは人に巻かれて立体で見て初めて意とした見栄えになるようです

作りたいものを作る

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楽しいと思えるかどうかが判断基準になり
作りたいものを作りたいだけ作る
やりたいことをやりたいだけやる

どうもそれしか出来ないようでして

様々不自由もありますが、自信をもって物作りに日々勤しむには自分には必要な事です

剣先

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剣先の切り方には2種類あります
左は昔の切り方で今はGAVIAL用にだけ使います 右が今の切り方です

一般的な剣の先端のような丸めた先端は用いません
スクエアの鋲と相性が良くないと思うからです

それと、まああまり口には出しませんが
「日本刀」
そのイメージでもあります
鍛錬にたたいた鋼 熟練した技と見極め 培ってきた伝統や積み上げた知識

その全てにおいて誇りにも思える「匠の粋」に少しでも近づきたいという願いも込めています

納品ラッシュ

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ここ数日納品を立て続けにしています とは言っても皆さんに大分待たせての納品です
いつもの事ながら待たせて申し訳ない気持ちですが、優しい気持ちで受け取ってくださり嬉しい限りです

本当にいいお客様ばかりで、実に恵まれた環境で仕事をさせてもらっていると実感します

作っているときにそのベルトを渡す相手を想います
喜んでくれたらいいなぁと似合ったらいいなぁと黙々とした作業の中で何度か考えます

そして最後は逆に渡すのが惜しくなるような精度で完成させたいと――――――

感謝の気持ちは言葉より自分がより技術も発想も向上し、良いものを作れるよう切磋琢磨することでお返し致します

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KEYHOLDER

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革は生き物で、命を頂いて物作りをしています
無駄のないよう使い切りたいと常に思いますが、どうしてもクオリティを考えると製品にするに至らない部分も出てきます
それでも極力捨てずに試し打ちや染めのテスト、オイルの浸透具合を見たりと何かに役立てようとしています

ベルトというのはある程度長い要尺を必要としますが
キーホルダーは細かく無駄のないようにレザーを取る術として最適です

真鍮無垢のホックとDカンはスタッズと同じ経年経過をするので、同じ年の取り方をします

一生モノ

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作業と作業の合間などに思い出したかのように日頃履き倒しているブーツの手入れをすることがあります
このブーツとは10代からの付き合いで永い時間を共にしました

「一生モノ」
タフなレザーギアにこの称号が付けられますが、それは放置していても一生使えるということではありません
むしろ細かく面倒を見る必要があるのだと思います
古いものこそ手を加えてコンディションを保つ手間と愛情が必要です
それで初めて一生付き合えるかどうかというステージの入り口に立てることだと考えます

古いバイクをノーメンテで乗り続けないのと同じことですね

ましてやこういう心意気がなければ愛情もプライスレスな物の価値もその上に乗せることは出来ません

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革の厚みはスタッズの爪が通る限界値に設定してあります
なので写真のように折り返す部分が顔を出すのは0.2mmくらいです

グラインダーで削って鋭利な先端にしたペンチで爪をとらえ内側に曲げこむのですが、これが手首に負担となり苦労する部分です
時には手首が熱を持ちアイシングしながら断続的に作業をします

厚みのある「しなる革」でベルトを作るのには多くの意義があります
品質を守るためにもこの苦労は必要です

いいものができた時の喜びで大半の苦労は忘れ、報われてはいますが(笑)

引き立てた先に

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職業柄なのか何なのかは定かではありませんが、服装よりも服飾小物に目が行きがちです

それはベルトに限らず(そもそもベルトは常には見えませんが)
ハットや靴・バッグ・キーホルダーから時計など無意識に目で追いかけていることがあります

ハットのかぶり方一つでも「どんな音楽に興味があるのだろう?」と連想させる事も
シフトレバーでへこんだブーツの汚れ具合に思わずバイクの話を振ったこともあります

その人その人のライフスタイルやこだわりが物を通してその人から表れ、興味がわくとでも言うのでしょうか

自身が手掛けている物もその人のバックボーンがにじみ出る一つのツールでありたいですね
何度も口に出しますが、小物はあくまで引き立て役です 
ただ引き立てた先にその人となりを知る面白さも同時に内包していると勝手に信じています

おまけの時間

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会って依頼を受けて 会って手渡し

うちの基本ですが、これが自分の人生を実りあるものにしてくれます

革の話を熱心に興味深く聞いてくださる人
バイクの話や音楽の話を楽しそうに話す人
まったく異業種の仕事や姿勢について話してくださる人
頑固だとか固いとか古いとかご指導してくださる人
ベルトをすぐに腰に巻いて、とにかくまあ飲みに行こうという人など

物を人に受け渡す時に連れてくるこの不思議で楽しいこの「おまけの時間」を愛してやみません

冥利に尽きます

新しいベルトもさっそく旅立ちました
詳細はまた後日

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