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adjust

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裁断したレザーに特殊なインクジェットでストライプを施します (写真の状態がそれです)

ここから独自の調合のオイルを入れ込んで、タイガー特有の濃淡のある茶色にしていきます
わざとムラが出るように筆で最後にオイルと足して陰影を作ります
もともとが白ヌメと呼ばれるタンニンなめしの革の色そのままなので、オイルの食いは非常にいいです

色がプリントされている部分は黒の部分だけであとはオイル仕上げなので、レザー特有のアメ色に焼けていく経過を楽しめます

しかし夏はどうしても気温でオイルがゆるく、サラサラしているので入りすぎないように加減が必要です

この「加減」というものが、楽しさでもあり、難しさでもあります
感覚でマニュアルなし 生かすも殺すも自分次第

革の世界の奥深さを感じます

絶滅危惧種

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「良い革とはなんですか?」とよく聞かれます
作るものや、加工の仕方により答えは様々ですが、thugliminalは「しなる革」と答えます

ピットなめし・繊維の断裂の少なさ・化学薬品に頼らない「磨く仕立て」・目に沿った裁断
どれも専門用語の羅列で説明することになってしまうのでここでは説明しきれませんが全ては「しなる革」のためです

写真に載せたレザーは仕立て前ですが厚みが7mmほどあります
このまま使えるのですが、スタッズの爪の長さが足りないので4.3mmくらいまで薄くして使用しています

ピットなめしの極厚の皮革がどんどん世の中から消えている昨今、業界の方にはよく「絶滅危惧種」だと言われます
単純に作るのに時間がかかり、デリケートで非効率なこの革は商業的視点からは問題だらけです

流通量が少なく、確保することもこんな小さな会社では容易ではなくなってきました
それでも どうしてもこの革でなければならない理由が山ほどあります

もしご希望があれば通常は作りませんがこの厚みでベルトを作ります(スタッズワークは出来ません。プレーンベルトのナチュラルのみになります)
極厚でもきちんと「しなる革」の条件に沿っています

a new pattern

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新しい型紙をひく日々です
頭の中である絵を実際の形にする大切で重要な作業です

まだまだ頭の中と現物の「ズレ」のようなものは多く、イメージ通りにはいきません
そんなイライラした感情をじっくり何日もかけて感じ続けるときもあります

言葉や音楽のようにパッと表現できるものではなく、失敗への道のりですら何日もかかるのでその分情緒が乱れるわけです(笑)
今回も何回かバイクに跨り逃げましたね・・・

冷静になって何日も眺めながら 毎日「これいいな」と思えたら、はじめて革に打っていきます

まだもう少しかかります 頑張ります

tee

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夏前に毎年楽しみながら作るTシャツです

冬はインナーに
夏は作業着として一年を通して着ています

今年は初めて3版構成にしました
毎年身近な人たちに配るような形ですぐに無くなります(無くなるような枚数でしか作っていません)

楽しんで作って喜んでもらえる 気分転換にもなる

毎年これはやっていきたいですね

弓なり

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約10年前のベルトがメンテナンスのため戻ってきました

thugliminalが、良いベルトの条件にあげるの一つ
「弓なりに体のラインに沿うこと」 それが綺麗に出ています

現在使用しているレザーとは異なりますが、あの当時も今よりも技術も乏しい中、レザーの繊維の目の均一さを気を付けることは出来ていたんだと安心しました

最初は堅いですが、その人の体の曲線に沿うようにレザーは変化していきます
そうすることで初めて厚めに作られたレザーが真価を発揮します

そしてなによりも10年も使い続けてくれたことに感謝いたします
ありがとうございます

moisture

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多くの人はレザーに水分は大敵だとお思いだと思います

しかし「革」も元は「皮」で乾燥したものに油分だけでは不十分だと考えています
しかし不用意ではなく、適度な分量と入れるタイミングがあります

水と言っても様々でして 時に人の化粧水・精製水加工物・まあいろいろとケースに合わせて使用します

ふっくらと水分が入った革に油分を足していきます
化粧水の後に乳液を塗るのと同じですね

また愛着がわくほどに使い込まれて戻ってくることを期待します

穴をあけること

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スタッズを通すには事前に「穴をあける作業」があります
スタッズを打つ機械があれば 穴開けからセットして爪を曲げて打ち込むまでワンアクションで出来ますが、うちは手作業です

穴の入り口と出口が同じになるように垂直に打ち込むのですが、革が厚い分容易ではありません

何度も何度も失敗し、計算外の歪みに悩まされた過去があります

スタッズの爪の幅によって打ち具もカスタムし、刺さりと抜けが良いようにグラインダーで削り 方眼紙をまとめた束に何度もまっすぐ打てるように練習しました

正直80点アベレージは出せますが、常に100点とはまだまだいきません

穴をあける
寸分たがわずそれをすることは長い長い道なのだと思います 

引き算の仕方

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先日 四角い鋲と丸い鋲のバランスについて書かせてもらいましたが
その話の根本はこの「引き算の仕方」です

時には製図の段階
時には配列、配色の段階
いくら良いと思い作り上げたものでも「詰め込みすぎている」と感じることがあります

ここから間引き、間隔を修正してサイド配列させると自分の中ですっきりと収まります

あれもこれもと「詰め込む」ことよりも「間引く」・「省くこと」のほうが数段難しく難解ですが、ここにこそ「飽きのこない良さ」を感じてくれるのではないかと思い作業しています

それもまだまだ勉強段階 日々精進です

つまみ、ひねり、ねじりぬく

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工具はもちろん大事ですが、その中でも「ペンチ」は重要な道具です
棒ヤスリでSTADSの爪が掴みやすいように好みの形に削りだしました

STADSWORKは工程はシンプルで特殊なことはありません
ただ
長年やって気づいたことですが手首にすごく負担がかかります

力を込めて爪を握り
革に先端が埋まるようにひねり
手首をねじり
力を抜いてスッと抜く

ただこれを繰り返します 単調な淡々とした作業です

最近はスタッズを止める良い機械があるようです
否定も肯定も出来るほど知らないので何とも言えないので一度見てみたいですね

「手打ちが偉い」とか「機械じゃダメだ」とかじゃないと思うのです

核にあるのは「もっといいものが作れるかどうか」だと思います