REDのSHINEです
古来日本でも「朱色に金色」は高貴でめでたい色合わせとしてきました
それを鋲ベルトでやるとアクの強い簡単に着こなせない「ドギツさ」が出ますがそれはそれで願ったりです
強いベルトが作りたいんだと始めた事です
アクの強さをねじ伏せて個性にしてもらいたいですね
また前にもお伝えしたとは思いますが、レッドとブルーはレザーが変わりました
ナチュラルと同様のレザーに乾燥度とオイルの入れるタイミングを試行して顔料をのせることが出来ました
程よい硬さとしなりを持つベルト革です
「チェイン」
つなげるという意味で使っています
90度でも45度でもない角度で進行する新しい試みのモデルです
人の目は曖昧な角度のものを不快に感じることが多いものです
しかし、限られたベルト幅でのキャンバスに施すスタッズワークに、この曖昧な角度が可能性の突破口の一つだと昔から思っていました
ただその不快さを払拭するのは困難で、まだまだ腕が未熟だと思い知らされるばかりで―――――――
ここにきてようやく納得できるものが仕上がりました
星座のような、スターダストのようなイメージですが、知識や経験、時間も全てつなげてできた事に敬意をもって「CHAIN」
写真ではどうも伝わりにくいのですが、このベルトは人に巻かれて立体で見て初めて意とした見栄えになるようです
hexagon(六角形)から 「HEX」と名付けました
一番細い2.5mm幅ですが、金と銀がセットになっている模様は主張が強くアクが強いです
数多くベルトを作る中で、自身の表現したいデザインには気分や流行りみたいなものがあります
繊細なスタッズの配列で緻密なデザインを起こしたい時期や
無骨な大きなスタッズで鋲ベルトとしてのそれに重点を置いたりですとか
よく「原点回帰」という言葉を最近耳にしますが、自分は回帰する事も回想する気もあまり興味はありません
ただ「初期衝動」を今の技術でまた表現できたらな・・とは考えます
初期衝動を心に持ち、今の腕で表現することが自分流の原点回帰だと思います
少し偉そうにも聞こえますが、強い個性やスタイルでねじ伏せないとベルトが勝ってしまうくらいの強いベルトを作るんだと思い,
やり始めた事が今の仕事です
その意図にぴったりの「HEX」です
中村達也氏の私物で過去虎柄のベルトがありました
今はもう壊れてありません
あれすごくかっこよかったから、うちのレザーで表現できないか?
そもそもはこんな会話から産まれたものだったと思います
レザーに直接特殊なインクジェットを施し、黒以外の部分はレザーオイルだけで濃淡を表現
プリントではないのでその人それぞれの経年経過が楽しめるモデルです
レザーは紙とは違い均等ではないので、オイルを良く吸う部分と吸わない部分 色が変わりやすい部分とそうでない部分とオイルを入れる工程はさじ加減を見ながらゆっくりと観察して作業します
スタッズワークではない 新しいアプローチ
表現の幅が広がったことが素直にうれしく思えます
個人的にはデニムとの相性が良いです
ガンガン使ってアジが出るのを楽しんでもらいたいです
噛みつく牙
多量のスタッズを規則的配列し、モチーフを描きました
スタッズで絵を描いたり、文字を作ったりは好きではありません ただ「そう見えるよね」は好きです
「鋲ベルトの枠から出ない事」
不自由な鉄則ですがこの規制はTHUGLIMINALにとってすごく必要なルールです
正直何度もそのルールを破りたくなるよなアイデアはありました
思う以上に与えられたキャンバスは自由で、創造にかられて動きたくなります
しかし「普遍的な模様」であることが一度気に入ってもらえたら飽きが来ない最大の理由であると考えています
限りあるキャンバスを
ルールに縛られ
与えられたスタッズや色にも限りがある
そこに何年も何年もとどまり作り続けることで、むしろ浮き彫りになる「個性」「オリジナリティ」
それを昇華させたい それは作る喜びや楽しさに変わります
ちょっと話それましたね。。
通称 「一連」
シンプルで潔い単一のスタッズを並べただけのデザインです
PUNKSはこれを飾りベルトのように2本目のベルトとしてオーバーサイズで巻きます
thugliminalは通常スタッズ間の隙間を無くして連続して打つこと(通称 連打ち)はしません
ベルトにかかるテンション(腰回りの曲線に沿い伸び縮みすること)を分散させて逃がすことができなくなるためです
最初は良いですが、経年経過後スタッズが外れたり、革が腰に沿った綺麗な曲線を描かなくなります
単純に高級な皮革を使っている意味がなくなるというのもあります
「良いもの」には良いと言われる特徴や意味があります
しかし「良いもの」を生かすも殺すも知識をつけて技術を注げるかどうかにかかっています
単純で飽きのこないデザインが引きたいとこれを作るたびに想うものです