
着々と

着々と

フリーハンドの走り書きを描きこんで、それだけで「様」になる
そんな芸当を易々とやってのけるのがGAVIALでしょう

連続するデザイン
ありふれているけれど
好きならば飽きない模様
とがった味付けよりもそういうベルトを作っていたいものです

裁断した後、革の断面のエッジ(へり)を落とす作業に入ります
ベルトの表情にもかかわってくる大事な作業です
表面は角をほんの少し落とすだけ 裏は大きくそぎ落とします
ベルトではあまり見ませんが、「片減らし」と言って紳士用のベルトに用いられていた手法です
鋲を打つ際、表を大きくそぎ落とすと革と鋲の表情がケンカするのでこうしています
しかし1つだけだとすぐに終わる作業も量産の場合はそれなりに時間がかかります
疲れるはずもないと思っていた作業で手が痛くなることもしばしば

それでもこう仕上がっていく様子を見ているのはすきですね

通常革の表面が乾いた時には汚れをふき取り、オイルを入れます
しかしオイルアップするとナチュラル(ヌメ)の場合表面の色味は濃くなります
育ててきた風合いを一気に加速させてしまうのでいつも使っている方と相談しながら決めています
色味を変化させたくない場合は裏から温めたオイルで薄く数回に分けて塗りこみます
その後革を動かしながら様子を見てオイルの量を加減します
こう文章にしてしまえば単純ですが、オイルの量や温度にはいつも注意しています




このベルトの説明をしなければと前々から思ってはいますが
「鋲ベルト」
で全て語ったことになるような気がしています



革を染める「染革-せんかく-」という職業があります
これもまた一生の仕事として大変奥が深く、日々の技と知識の積み上げがあり生涯修行となりうる素晴らしい職です
生き物である革は同じレシピで同じものは出来ません
だからこそ職人は「いい塩梅」を探るのです
そのさじ加減の難しさを感じる一方でその魅力にもおおいに気づき、出来うることならば自分でも染付けをしてみたいと思いました
最初に言ったように、その仕事は付け焼刃で極められるような簡単な仕事ではありませんが・・・・と堅苦しく前おいて言い分けるのもなんなんで、まあ、単純に「自分でもやってみよう」と強く思ったということです
見るも聞くのもやはり「やる」は大きく違い、ジタバタと時間が過ぎていきましたがようやく思う色が出せたような気がします
出したかったのはその先があるもう何段階か育つ前の色
ここから日に浴びても、オイルを入れても、使いようでも、その人なりの色に少しずつ変化するそんな色に仕上げてみました
写真でどこまで伝わるかは未知数ですが、言いようのない青です
堅苦しく頑固な職人気質みたいな文面でしたが
ようはPUNXのDIYがずっとやっていたらのなれの果てみたいなことだと自分では思っています

もとは中村達也氏の個人オーダーアイテムです
売る事を考えたものではありませんでしたが、10周年ということで商品化
「文字を打つことを好まない自分が文字を打つなら」
それを何度か表現してきましたが、それの集大成のひとつがこれだと思います
ひとつひとつが独立した模様の域であること
人から見える距離で見れば言葉として見えるように配置すること
より細かく配置、配分することにより繊細な細工であること
そして氏の個性に負けないこと
言わせてもらえるならばそれに勝つつもりで作りました

この日ベルトも展示してありますし、オリジナルのベルトも展示いたします
直接お会いしていろいろと話が出来るいい機会だと思っています
ご来場お待ちしております


間引くのも足すのも
空間も間隔も
日常でも着ることもバイクも何もかも
大切なのは バランス です
ただただ自分のバランス感覚
正解があるわけではなく、漠然とピタッとくる感覚を大事にしようと思っています